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【WJ】短編

第21章 【甘】大人の恋愛/越前リョーマ


 久しぶりに訪れた青学、やはり中学校というだけあって、小学校よりうんと大きくて、前来た時の記憶を辿りながらテニスコートがあるであろう方向へと足を進めた。すると、ボールがラケットに当たるポーンという規則正しい音が聞こえ、その音の方向へと走った。


「周助お兄ちゃん!」


 周助お兄ちゃんを思いの外早く見つけられた事が嬉しくて、手を振りながら大きな声でお兄ちゃんの名前を呼んだ。するといち早く私に気付いたのは桃ちゃんだった。


「お、なんだ?遥香また大きくなったな!」
「桃ちゃんこそ。」


 なんだ、なんだとあっという間に青学テニス部の人達に囲まれた。


「遥香どうしたの?」
「周助お兄ちゃんお弁当忘れたでしょ?遥香が持ってきてあげたよ!」


 そう言って鞄からお弁当箱を取り出し、周助お兄ちゃんに渡した。


「え?不二先輩妹もいたんスか!?」
「うん。」
「てことは、ルドルフの不二裕太さんのお姉さん?」
「違うよ。裕太の妹でもあるよ。」
「ってことは、しょ、小学生?!」


 そう言って驚いた様子のつながり眉毛の彼。見た事ないし、多分一年生。驚いた様子の彼よりも背が高いのだからそう見えても仕方ないのかもしれない。


「遥香ちゃん、また可愛くなったね。」
「ホントホント!不二もこんな可愛い妹いたら目が離せなくて大変だにゃー?」
「そうだね。」


 青学に来ても可愛いだとか、色々言われ、年上の彼らにそう褒められるのは何だか嬉しくて誇らしかった。


「…何やってんスか?」
「お、越前!不二先輩の妹だって!」


 振り向いた先にはキャップ帽を被った背の低い男の子。


「小学生?」


 その発言に皆が笑った。


「確かに遥香より背が低いし、小学生に見えるわな!」
「桃先輩、笑いすぎっス。」
「悪い悪い。けどよ、小学生って…!」


 ゲラゲラと大声をあげて笑う桃ちゃん。そして、それと対照的にムスッと不機嫌な様子の男の子。


「…ごめんね?小さいから小学生かと思った!」


 それにまた桃ちゃんが大声をあげて笑った。


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