第4章 消せない昔、消えない今（後）

『鉄朗以外に見せるわけないよ
鉄朗以外が見れるわけないよ
鉄朗だけだよ…』

だって、私はきっと
鉄朗にしかこんな気持ちに成らないもん

「…嬉しい。
俺ももう姫凪しか抱かない
てか、抱けない…」

私の言葉に目尻を下げて
"好き"と囁く声が心地よくて
脱力した身体に染み渡るみたいに
優しく入ってくる

「姫凪～
エッチな音がドンドンおっきく
なってますよー？
まだ足りねぇ？」

秘部で低速で動いてた指が
少し速さを増し
限界を超えてるはずの
私の身体を刺激してくる

『こ、これは…違う！
鉄朗が触るから……
それに、もう身体動かない…！』

先を望む気持ちはゼロじゃないけど
さすがにアチコチ悲鳴を上げてるし、と
慌てて身を引くと

「ﾌﾞｯﾌｫｯ！分かってるって！
そこまで野獣じゃないですぅ！
反応が可愛いから
チョット揶揄ってみただけだから
そんな警戒しないでクダサイ
無茶はさせない
一生大切にするから
ずっと側にいて」

意地悪な顔の奥の瞳を優しく揺らして
薬指にキスをする鉄朗