第30章 白鷲の交渉
『・・・。(汗)』
「・・・。」
今の状況を説明させていただきます。
あたしは、病院の前でタクシーを待っていたら突然白布さんが現れてそのまま白布さんに連れられて、病院近くのあの女神のロゴが特徴のコーヒーショップにいる。
白布さんは、そのお店のラテを注文した。あたしも白布さんが好きなものを頼んでいいというので、キャラメルの入った温かい奴とケーキを1つ頼んだ。
「…ねぇ、」
『はっ、はい?!』
無言状態だったが、先に口を開いたのは白布さんだった。
白布さんは、マグカップ派みたいでそれに口を付けてからあたしに向き直った。
「あんたさ、いつまで牛島さん待たせる気?」
『えっ…いや、だって…』
やっぱり白布さんの中であたしは嫌いな部類なのかもしれない。それに、白布さんの言う待たせるとは、きっと結婚のことだろう。
あれからあたしは白鳥沢とは関わっていない。
及川さんに言われたからとかじゃなくて、ただ単純に会う機会がなかったから
「及川に何言われたか知らないけど、あんたがさっさと決めないと、牛島さん困ってるんだけど?」
『でも、結婚はお断りしましたよ?』
「そんなことで断れると思ってんのか?」
明るい髪色とは対照的に彼の目はとっても冷たかった。伊達に白鷲の帝王のもとにいる人だと思った。あたしは無意識にコーヒーに口を付ける。すっかり冷めてたし量もそんなにないけど気晴らしには十分だった。