第27章 黒猫の生きる意味
当日、会合の会場は中央病院のそばのホール。俺はそのホールを見下ろす廃ビルの屋上にいた。そこで、ホールに向かっているであろう井闥山の佐久早を探す。
佐久早は、すぐに見つかった。噂ではイマドキ女子のようにマスクをしていて天然パーマの男だったからすぐに分かった。
会合会場で、佐久早は素知らぬ顔で木兎のもとへ行く。木兎も同じく素知らぬようにそいつに話しかけて握手をする。当然お互い手袋をしているから何かするということはしないだろう。
予定時刻の2時まであと数分・・・
今佐久早はホールの2階の窓辺だった。
喫煙所から一番遠い場所だった。でもそこは一番狙いやすいところだから俺は素早く銃を構えた。
スコープ越しに見える佐久早はダルそうな目を周りに向けていた。持参していた除菌シートで手すりを拭いていた。そんな姿を確認してから、俺は時計を見た
・・・13:59、50秒前………54…55…56…57…58…59…!!!!
パァン!!!!!!!!
周囲のビルに銃声音が響き渡った。でもそれは、俺の放った銃の音ではなかった・・・
「・・・ッ!!!」
俺の腕から、銃が落ちた・・・そして、その腕から赤いものが数滴一緒に落ちた・・・
撃たれたのは・・・俺だった