第3章 恐い人
とりあえず、中に入りなよと祐希君に言われて、席に着く私達。
藍那もこんな恐い相手がいるとは思ってなかったらしい。
強ばった顔つきをしている。
あと、赤い髪に目を奪われていたからか、もう一人、男子がいたことに気がつかなかった。
髪の毛は茶髪で、ちょっとチャラそうにも見える。
でもこれは、藍那の好みのタイプに当てはまっている男子だとこっそり観察しながら考えた
モデル体型だし、筋肉質。なかなかの男子といえる
「心春。」
藍那が私の耳に口を近づける。私も聞こえやすいように近づいた
「あの人。redcrashって有名な暴走族のリーダーだよね?1回見掛けたことあるんだけど、顔、そっくりだし」
「ええっ⁉」
思わず藍那が耳打ちした内容に驚愕して叫んでしまった
大きな闘争で警察沙汰になり、救急車で運ばれたり、重体者が出たことで有名なredcrash
リーダーは必ず髪を赤に染めることが決められていて、この一団がバイクで移動すると一際目立つ
私も何度か見かけて、何だか異常に放つぎらぎらしたオーラをひたすら恐いと思っていた
その恐いと思っていた人たちのリーダーが目の前にいる
本人は涼しい顔してさっきからジュースを飲んでいる
解せん…
なぜ、暴走族のリーダーという忙しい身なのにこんなとこにいるんだろう。
しかも身なりはヤンキーだし、ちょっと言葉遣いは荒いけれど、脅してるわけでもなく普通にしゃべっていた。
と、その時本人と目がばっちり合ってしまった。
やばい、考えすぎてガン見してた。怒られるかな?