Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第30章 カレカノ指南?《青根 高伸》
「2人の馴れ初めも分かったことだし」
「え、馴れ初めの話してたn…」
「問題は、これからどうするかだよね」
俺はスルーかよ!?と憤慨する二口先輩を海宙ちゃんは華麗に無視。
「青根先輩からのアプローチは期待できなさそうだからさ、もういっそのこと紫乃ちゃんからいっちゃったらどうかな?」
『っ私!?』
飲んでたカフェオレを危うく吹きそうになる。それは考えてもみなかった。
本来、恋愛っていうのは男の人からアピールをするものだと思ってた。動物界においては極当たり前のことで、それは人間も同じだと。
でも女の人がリードする恋愛もありかもしれない。例えばドラマなんかでは、年上の女性が年下の男性を引っ張る、なんて展開も。
もちろん、創作の世界とリアル世界を比較するのはどうかと思う。
「青根先輩は恋愛に関しては鈍そうだし」
「お前何気にひでーな?」
「紫乃ちゃんが頑張ってみたらどうかな?」
「やっぱ俺はスルーなの!?」
隣で喚く二口先輩をことごとく無視しつつも、海宙ちゃんは私にアドバイスをくれた。
『…そう、だね。そうだね、海宙ちゃん!』
ガタンっと立ち上がり、向かい側に座る海宙ちゃんの手をがっしと握る。
『私から、たっくさん話してみる。それからっ手を繋ぐくらいはしたいな!』
「うん、紫乃ちゃん、頑張れ!」
うんうんと頷きながら海宙ちゃんは天使みたいに笑った。その横では二口先輩がなんの茶番だよ…と呆れている。
「あー、青根ならさ、栗きんとん好きだからプレゼントすれば?」
『二口先輩っ、ありがとうございます!』
「明日は土曜日だから、一緒に栗きんとん作ってみよう。それで午後からの部活に差し入れよう、ね?」
『海宙ちゃん~っ、ありがと!』
貴重な情報も貰えたことだし、早速明日から頑張ってみよう。海宙ちゃんと二口先輩のようにはならなくても、私たちなりに少しずつ進んでいけばそれで良いのかな。
軽くなった気持ちと足取りで家に帰り、パソコンを起動させると、嬉々として栗きんとんの美味しいレシピを探すのでした。