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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第29章 (番外編)クリスマス


今までのものより少しだけ小振りなその鍵は、プレートの裏に同じこの百貨店のロゴが入っている。
今回はすぐにピンと来た。
冷蔵用のコインロッカーだ。
すぐ隣に視線を移すと、25番だけ使用されているそれ。
付いていた鍵を差し込むとすぐに扉は開いた。

カラフルなラインの入った包装紙でラッピングされた、手のひらサイズの箱が中央に置かれていた。
その箱の上にもまた一本の鍵。
箱はひとまず置いておいて鍵を手に取った。

この鍵に関しては完全にお手上げだった。
大きさ的にはロッカーというよりどこかの家の鍵のようだ。
しかしプレートもついていなければ、手がかりになりそうなメモなども見当たらない。
溜息を吐いて包みを手に取った。
そこで包装紙の奇妙な模様に気がつく。
どこかで見たことのある色どりと形。

はっと思い至って、丁寧に包装紙を剥がしていく。
包装紙を全部広げきると、そこには都内の路線図がプリントされていた。
駅名や路線名こそ描かれていないが、何となくは分かる。
その中に一ヶ所の赤い点と数字が描き込んであった。数字はどうも番地と部屋番号のようだ。

手帳の路線図と見比べるまでもない。私の最寄駅でもある杯戸駅のあたりだった。
なんだ、とワインを抱え直す。
つまりこの鍵は私の自宅のそば、どこかのマンションの部屋の鍵ということだ。
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