イケメン王宮、真夜中のシンデレラ/ALLキャラ短編集
第12章 二人で過ごす誕生日~ゼノ編~
「…ゼノ様、お誕生日おめでとうございます。こんなのでプレゼントになるかわかりませんが…私で良ければ、受け取って下さいっ!!」
そう伝え終えたと同時に、恥ずかしさを紛らわせるために、私は勢い良くゼノ様の胸へと飛び込んだ
(…っ、やっぱり恥ずかしい…呆れられちゃったかな…?)
そう思い、目に涙を滲ませていると、ゼノ様はふっと笑いながら強く抱き締めてくれた
(ゼノ様…?)
私が恐る恐る顔を上げると、そこには頬を赤く染め、優しい眼差しで私を見つめるゼノ様がいた
ゼノ「…お前には驚かされたな。俺は、今日が自分の誕生日であることも忘れていたぐらいなのに…」
「え…そんな…っ」
(私、なんて大胆なことを…っ)
今更ながら恥ずかしくなり、また俯こうとするとゼノ様にそっと頬を包まれ、優しく額へとキスをされた
「…っ、ゼノ様…?」
ゼノ「お前は本当に可愛いな。それに、こんなに嬉しい誕生日は初めてだ」
そう言って私を横抱きにしたゼノ様は、ベットの上へと私をそっと降ろした
ゼノ「だが…」
(……?)
ゼノ「…ユヅキはもう、俺のものだと思っていたのだが…違ったのか?」
そう言ってゼノ様は、優しく私を見下ろしながら、唇に触れるだけのキスを落とした
「…っ、いえ…私はゼノ様のものです…」
恥ずかしさを耐え、消え入りそうな小さな声でそう伝えると、嬉しそうに微笑んだゼノ様と、今度は深く、お互いの舌を絡めとるような口づけを交わした
「んっ…ゼノ…様っ…」
息苦しさに身を捩りながら、潤んだ瞳で見つめると、ふいにゼノ様は意地悪な
笑みを浮かべた
ゼノ「では、今夜はユヅキが俺だけのものだと言う証を、沢山つけることにしよう」
身体中を駆け巡る、甘い僅かな痛みに甘い声を出しながら、私は彼の腕の中で深い愛に溺れていった