第8章 野心を抱く者
「指だけなのに(笑)」
私の顔を見て笑う顔は
意地悪でも捻くれてもない
嬉しそうな蛍の素顔
私しかきっと知らない
満たされた時の顔
ハジメテ結ばれた時に見た顔と一緒で
私を満たしてくれる顔
『蛍だったら
チューだけでも姫凪
イケそうよ?』
軽いチューを何度も重ねて
笑うと
「じゃあ次はそれ試す??」
と、キスの嵐が降る
『夜はそれにしよっか?』
「それは嫌だ。夜は
何が何でも挿れる
準備運動して待ってなよ?」
"場所は後で考えよ?"
と首元で囁き
そのまま痕を残す
「付けとかないと。虫除け」
クスッと笑う蛍に
私も同じ証をつけて
体育館に戻った