第15章 タイガーリリー
ぐったりしてる和也を上から見下ろす。
「和也…」
俺を見上げる潤んだ瞳は、まっすぐに俺を映していた。
「どうする…?」
俺達は、ここから先に進めていなかった。
俺の記憶が戻らなかったから…
和也が無理に進もうとはしなかったからだ。
「……翔は……どうしたい…?」
か細い声――
怖いんだろう…
俺も、怖い
だって男同士なんてしたことがない。
多分、和也も同じだろう。
傷つけやしないか、怖いんだ。
でも…
「ひとつに…なりたい…和也…」
俺を見つめる目に、炎が灯った気がした。
「うん…俺も…そうしたい…」
そっと俺の肩を押すと、和也は身体を起こした。
見つめ合うと、ひとつキスをして和也はベッドから降りた。
チェストから何か取り出して戻ってくると、ベッドに置いた。
ローションとゴム…
「準備だけ…しておいたの…」
くしゃっと頭を撫でると、和也にキスをした。
「ありがと…和也…」
「ううん…」
微笑むと、和也もキスを返してくれた。
ふんわりと和也をベッドに押し倒すと、またキスをした。
和也が起き上がって俺のことを押し倒し返した。
そのまま上になり下になり、俺達は暫く絡み合っていた。