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カラフルⅢ【気象系BL小説】

第9章 退紅(あらそめ)scene3



「おはようございます」

専務に呼ばれて、仕事終わりに一人で事務所を訪れた。

「あ、櫻井。専務室行って」

俺らのチーフマネージャーがデスクからそういうから、階段を登って専務の部屋へ向かった。
ドアをノックすると、入れと声が聴こえる。

「…失礼します」

部屋にはいると、窓際に専務が佇んでる。
カチッと女性物のスーツを着こなし、髪には緩くウエーブが掛かってる。

「なにか?」

もう以前のゴタゴタは解決した。
このことは俺には深入りするなと専務がきつく言ってきたので、あれ以上詮索することもなかった。

智くんは…
相変わらず微笑みを見せてる。
まるで、あんなこと何もなかったように。

専務はデスクの上に一枚の写真を出した。

「それ、週刊誌に載るから」
「え…?」

手にとって見たら、智くんが女と歩いている写真だった。

「え…?これ…?」
「大野の彼女よ」
「え…?どういう…」

そこまで言って絶句した。
そういえば、最近すれ違ってて…
智くんはまだ残してた前の家に帰ることもあった。
コンサート前だからそういうこともあると思って、別段気にしてなかった。
俺も仕事が詰まっていたし。

なにより、思い悩むことがなくなってたから…
油断してた。

「櫻井…なにも知らないの?」
「え…ええ…俺は…なにも…」

そういうと、専務は煙草に火を着けた。
一口吸い込んで吐き出すと、窓の外を眺めた。

「よりによってこんなタイミングで…」

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