第58章 Thousand of …
「やー!やめてー!」
「なんだよお!俺にも貸せよ!」
「こおら!やめろって言ってるだろ!」
賑やかな声が子供部屋から聞こえてくる。
「ああ…ったくあいつら、まーた喧嘩してんな…」
あなたは立ち上がって、俺に向かっていたずらっぽく笑った。
「ちょっと、休憩」
「えっ?」
「ほら、おいで。智くん」
あなたは俺の手を掴んで、子供部屋の扉を開けた。
「こおら!なにケンカしてんだ!」
「潤がいじめるー!」
「うっせー!カズのばか!」
「まさにいちゃあん!」
「あー…もう。わかったわかった…」
雅紀が和也を抱き上げると、潤は瞬時に拗ねた顔をする。
「ふんっ…どーせ俺が悪いんですよっ!」
小学生なのにはっきりとした顔立ちで、拗ねるとそらもう迫力がある。
「ぶぶ…潤、ほら。こっちこい?」
あなたは潤を手招きすると、ひょいと抱き上げた。
「なんでカズのおもちゃ取るんだ?潤」
「…だって…」
もじもじと潤はあなたのカッターシャツに顔を埋めた。
「カズ、おもちゃばっかりで俺と遊んでくれないんだもん」
ぶふぁっと雅紀が噴き出したから、おしりをぎゅっとつねっておいた。