第53章 【Desire】25 millieさま・chiseiさまリク
雅紀と翔くんと3人で厨房で昼飯を済ませてしまうと、あけぼの荘の中を掃除して回る。
最近、暖かくなってきたからそろそろ釣り船の営業も再開しようかって話で。
そしたら民宿も再開だから、家中掃除して回る必要があった。
ちびどもが帰ってきたらそれどころじゃなくなるから、みんな必死だった。
「チビどもいつ帰ってくるんだっけ?」
「んー、今日は給食食べたら終わりのはずだから…もうそろそろ帰ってくるんじゃないかな。今日は学童ないし」
チビたちは、この春から小学校に通っている。
早いもので、ここに来てから2年の歳月が流れていた。
翔くんはあれから入院まですることはなかったけど、でも病気は治らないから、全くの健康ってわけじゃなくて…
時々寝込んだりもしてる。
それでもなんとか、家族で支え合って…
俺達は生きている。
掃除をある程度済ませて、網の補強を裏の作業場でする。
民宿の裏手には船が停泊できるようになっていて、海が近い。
潮風が温かくなってきているのを感じながら、雅紀とふたりで黙々と網を直していると、チビどもが帰ってきた。
「大野あんちゃーん!ただいまー!」
「智あんちゃん!ただいまあー!」
「おいっ!お前ら!実のにいちゃんにあいさつは!」
「あ。いたの」
「居たんだ~」
「おまえらああ!」
「きゃー!怒った!」
「怒った怒ったー!」
バタバタと追っかけっこを始めるのを見て、昔見たネズミとネコのアニメを思い出した。