第50章 【Desire】22 チャコさまリクエスト
松本さんが出ていくと、部屋はまた静寂に包まれた。
”翔…お願い…傍に…僕の傍に来て…?”
和也様の声が…頭に響く…
あの時…智様を抱いたあの時…
確かに和也様は、智様の中に居た
死してもなお…私の主人は、私を求めて彷徨っている
そっと首筋を撫でる。
あの時、私は罰を受けたのだ。
智様を抱いたから…
息もできないほど締められた首には、暫く痣が残るほどだった。
智様が気を失わなければ、私は和也様の傍に連れて行かれただろう。
「なぜ…なぜ連れて行ってくれなかったのですか…」
あのまま私を連れて行けばよかったのだ。
そしたら今、彷徨うこともなかったのに…
”翔…”
ぼんやりと、窓辺に映る影
見ている
あの人は、私を見ている
何度も命を絶とうとした。
その度にあの影が、邪魔をする。
「なぜ私を連れて行かないのですか…」
なぜ私を死なせてくれないのですか
あれほど…
智様の身体にのりうつる程、傍に居てほしいと願うくせに…
なぜその望みを叶えようとしないのですか
視界が揺らいだ。
熱が上がってきたんだろう。
はっきりとした原因がわからないまま、私の熱は下がることはなかった。
”翔…お願い…傍に…僕の傍に来て…?”