第24章 蠱惑的遊戯【イケメン戦国】
その言葉には俺も含めて全員が息を飲んだ。
さんの全裸……
今、全員の頭の中でその姿が想像されているのは間違いない。
「私はやりませんよ!」
だけどさんの力強い拒絶がその姿を打ち消した。
「そうだな。
貴様は参加せずとも良い。」
信長様の言い分を聞いて明らかに胸を撫で下ろした様子のさんだったけれど……
「は恩賜の品だ。
『野球拳』の勝者はに何でも強請るが良かろう。」
まさかの展開に俺もさんもポカンとして信長様を見つめた。
「くくっ……案ずる事は無いぞ、。
この俺が負けると思うのか?」
「じゃあ、何故こんな事を?」
さんの真っ当な質問に、信長様は更に笑みを深くする。
「折角の新年の祝の席だ。
偶には皆で下らない遊戯に耽るのも良いであろう?
然し、遊戯とは言え勝負事だ。
為らば勝者には褒美が必要。
彼奴等がを独占している俺に
苦い想いを抱いているのは分かっている。」
「そんな事はっ……」
そう声を上げたのは秀吉さん一人だけ。
でもその秀吉さんも含めた全員が図星を突かれた様な顔をしていた。
さん……君って本当に皆に愛されているんだね。
「ふん……反対する者は居らんな。
勝者はに何でも強請って構わんが
には拒む権利も与える事とする。」
やっぱり信長様は凄いな。
こう言われてしまえばさんを傷付けるような非常識な望みは出てこないだろう。
信長様や皆の目の前でもある事だしね。
それでいて、さんに《何か》を強請る事が出来るというのは最強のご褒美だ。
既にもう信長様を止められないと悟ったさんも小さく息を吐きつつ黙ったままで了承したみたい。