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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第17章 Coquettish game【イケメン戦国】


「私は嫌です!」

さんは当然そう言って頬を膨らます。

「、そんな冷たい事を言うな。
 負ければ着ている物を脱いで行く遊戯なんだろー?
 野郎だけでやるなんて考えただけでも悍ましい。」

「どんな内容とは言え、勝負は勝負だ。
 逃げる事は許さん。」

ヤル気満々の信玄様と謙信様に促されても、さんは頑なに拒否し続けた。

幸村は?……と目を向けて見ると、無表情を装っては居るけど……

あれ、絶対にさんが脱いだ姿を想像してるな。

まあ、確かにこれはかなり美味しいシチュエーションだ。

俺はむくれるさんに近付いて、そっと耳打ちした。

「さん、ここは一旦受け入れよう。
 どうやらあの三人は引き下がる気は無いみたいだし
 取り敢えずやってみて、さんが危機的状況に陥ったら
 俺が適当なルールとかでっち上げて有耶無耶にしちゃうから。」

「……ホント?」

「勿論。
 大丈夫、さんは必ず俺が守る。」

「…………うん。
 分かった。
 ありがとう、佐助くん。」

そう言ってニッコリと微笑むさんに、俺の胸は高鳴った。

本当に君って素直で可愛らしいんだな。


「分かりました。
 私、やります!」

勢い良く立ち上がったさんを見て満足そうに頷いた信玄様の後ろから、謙信様の鋭い視線が俺を射貫いている。

「佐助はやらぬのか?」

「俺はこの勝負のジャッジをさせて頂きます。」

「じゃ………?」

「えーと、審判というか……
 見届け人みたいな物です。」

「ふん……そういうものか。
 では、確りと頼むぞ。」

もう勝負事となると謙信様は何かのスイッチが入るのか、かなり手強そうだ。

頑張れ、さん!

こうして名立たる戦国武将三人とさんの野球拳勝負が始まった。
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