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血の争い【黒子のバスケ】

第2章 戦争


血を吸収することによって、傷口が治る。そして、吸収した血を同じ吸血鬼に与えることも可能だ。傷口が完全に塞がったことを確認した結紀は、どこか満足そうな表情をしていた。

「でも、2人共軽傷で済んで良かったよ。」

「殆どは、結紀のお陰だがな。」

「本当だよ、流石…頭首だね。僕も助かった。ありがとう。」

結紀、昴輝、彰は、お互いの顔を見ながら笑っていた。ある意味この光景が、平和的なのだろうと思う。

昴輝は、ふと思ったのか窓から見える空を見ていた。それにつられて、結紀と彰も空を見る。やがては…。

「今夜、満月だな。」

昴輝は、そんな事を呟いていた。満月の光を浴びることによって、更に力を溜めることができる吸血鬼。いや、吸血鬼だけじゃなく、満月の光で影響が出るのが、狼もそうだ。

「どうする?奇襲仕掛ける?」

「……流石にやめておこう。もしかしたら、アチラから動く可能性がある。」

結紀が質問をすれば、最初悩む仕草をしていた彰だったが、止めに入る。彰が指したアチラとは、恐らくは狼のことだろう。

夜の戦争と言えば、狼と吸血鬼ぐらいだ。いや、この2種類の族だけではない…。恐らく、死神も動くであろう。死神は、魂の為だけに動く。

「せめて、死神にも気を付けよう。油断してると、根こそぎに、魂を取られる。」

「……そうだね、皆にも伝えよう。」

「僕が、皆に呼びかけてくるよ。結紀と昴輝は、いつもの場所にいて。」

今夜の戦争を、吸血鬼の皆で会議をすることにした3人。
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