第1章 しあわせはここにある-parallel-
浴室の壁に叩きつけられるように押し付けられた。
翔くんの唇が近づいてきた。
一瞬、真っ白になった。
「やっ…やだっ…やめてっ…」
翔くんは顔を歪めると、シャワーをひねった。
全身ずぶ濡れになった。
「や…やだ…どうしたの?何…?」
翔くんの腕がまた俺を捕まえた。
逃げられない。
かずよりも強い力で、俺は身動きが取れなかった。
壁にまた後ろ向きで押し付けられた。
痛い。
壁伝いに落ちてくるお湯が顔に掛かる。
「やめてっ…翔くんっ…」
「好きだ…智」
「…え…?」
瞬間、俺の後ろに衝撃が走った。
「ぐっ…んっ…」
「智くん…ごめん…愛してる…」
翔くんが俺の中に入っていた。
「あ…あ…や…だ…ぁ…」
「愛してる…ごめん…」
泣きながら翔くんが俺を穿つ。
「なんでニノなんだよ…なんで…?」
「あ…だめ…動かないで…」
「智…智…」
「あ…翔…」
俺は顔を上げた。
翔くんと目が合った。
吸い込まれるように翔くんの唇が近づいてきた。
だめ…だめだよ…
「俺も一緒に…地獄に堕ちるから…」
振り絞るような翔くんの声が聞こえた。