第19章 男の嫉妬ほど見苦しいものは無い
銀時達はご飯のいい匂いに引き寄せられハイエナの様に食卓へと走って行った。まだ作っただけで皿に盛り付けていないのにあの様子では相当お腹が減っているのかなと思った天音の顔は自然に笑顔になっており、料理を机に運ぶために台所まで走る。
そして皿に盛ったご飯を新八が机に運ぶ手伝いをしてくれていた。
『新八君いいのに、仕事で疲れてるんだから。』
新八「いいんですよこれくらい。まだまだ元気ですから!」
新八は両腕を上げ力こぶを見せるかのように笑ってそう言った。そう言われるともう断れず素直に新八の言葉に甘える事にした。全ての皿を運び終わると全員は手を合わし一斉に箸を動かす。相変わらず喜んで食べてくれる姿を見て口元が緩む。
銀時「何ニヤついてんだ?」
『みんなこんなご飯を美味しそうに食べてくれるから、今更だけど嬉しくて。』
神楽「美味しそうじゃなくて美味しいアル。天音ちゃん私と結婚してヨ!」
銀時「お前ふざけんな!コイツは俺の…ハッ……」
大人気も無く神楽の冗談に待ったを掛けるが、すぐ我に返った銀時は今自分がどれだけ羞恥を覚えるような発言をしようとしていたかと言葉が詰まる。そんな銀時を神楽はざまあみろと言わんばかりの顔でニタニタと笑い見る。
銀時「てめぇハメやがったなコノヤロー!」
『あ、銀さんそんな暴れたら危ないですって!』
上半身を机に乗り出し怒る銀時を止めようとするも、銀時の一張羅の裾が引っかかり箸が地面へと転がり落ちた。