第19章 男の嫉妬ほど見苦しいものは無い
天音side…
あれから数日が経ち新年を迎えてから早くも一ヶ月が経った。
今日は銀さん達は依頼が入り仕事に向かい、私は一人で留守番をしていた。でも今は昼時、お腹も空いたしたまには一人でランチも悪くないかなとか思って軽く身支度を始めていた。
『鞄よし、財布よし、寝癖よし!さて、何を食べようかな…。』
万事屋を後にして街を歩きながら何処か良いところが無いか辺りを見渡していた。お洒落で、美味しくて、落ち着けるような感じのお店が無いかな?なんて贅沢な事を考える。
一人でランチなんて何だか少し大人になった気分。たまには背伸びしたい、何て思ったり。
『ん〜…もう何処に入ればいいか分かんないや…』
中々宛が決まらず歩きほうけて少し疲れた。それにお腹もかなり空いて私の体力は速度を上げて減っていく。そんな私を救うように近くにはベンチがあった。休憩してからまた探そうと思い、私はそのベンチまで足を運び一息つき腰を下ろした。
『いい天気〜。』
ふと空を見上げれば快晴。まだ真冬、凍えそうなくらい寒いけど冬の空気は澄んでて気持ちいい。でもやっぱり寒さと空腹には勝てるはずも無く、もうお腹を満たすことが出来れば何でもいいやと思い適当にお店に入る為に立ち上がろうとした時だった。
『あれ?これどこかで…。』
足元に転がっている見覚えのある物。これは確か銀さんと甘味処に行った時、誰かが落とした物によく似ていた。