第18章 休みの過ごし方は人それぞれ
体勢を立て直した天音は神楽の口を書き、最後に新八のパーツへ入ろうとした時ピタリと動きが止まる。そんな天音を見て銀時は不思議そうに見るが、どうやら何か悩んでいるように見えた。そしてその悩みを言うべく口を開く。
『銀さん。新八君のパーツは、目だけを書くべきですか。それとももう眼鏡と共に目を書くべきですか。』
銀時「そらお前、眼鏡も一緒に決まってんだろうが。アイツから眼鏡取ったらもう何も残らないからね?」
『なかなか酷いこと言いますね…でも了解です。』
一見新八が一番書きやすいと思ったが、実際書こうと思えば結構難儀することを理解した。それも副笑いをする時のみ。銀時の言う通り眼鏡を書き、そして鼻、口を無事に書き終えそれをまたハサミで切っていった。そしてようやく坂田家の副笑いが完成した。
『よしっ、完成ですね。さて、どっちからやりますか?』
銀時「言い出したのはお前だろ、お前から先にやれ。」
『分かりました。じゃあ何か目を隠す物をお願いします。』
銀時「んなのめんどくせぇよ。手で視界遮ってやっから。」
そう言いながら銀時は天音の横から後ろに回って腰を下ろし片手で視界を遮った。銀時の大きく長い指は天音の視界を遮るには十分だった。パーツ作成と同様に銀時の副笑いから始める事にし、神楽と新八のものは少し端へ避け、パーツはそれぞれ銀時がもう片方の空いた手で渡すことになった。
かれこれ三十分ほど経って完成した副笑いが遂に始まろうとしている。これから笑い地獄へ落ちるとも知らずに。