第1章 嵐がハワイに上陸
大野視点 ハワイホノルル空港
一人で飛行機から降りる。
マネージャーもいない。ホントに一人で羽田から来た。
荷物もパスポートと携帯と財布が入ったウエストポーチのみ。
(ほぼ手ぶらだ…)
一般の人と顔を合わせないように、空港スタッフに誘導され、空港関係者通路を歩いている。
本当なら、皆で一緒に来るはずだった。
(五人で飛行機から降りて、手を振るとか…
いろいろ計画していたけど…
トラブルがあったのか…
松潤が先に一人で行って……
翔くんは同じ飛行機で行くけど、そのまま別行動…なるらしい…)
『いやだ!後で行く。一緒に行かない!』
おいら…久しぶりに、駄々をこねた
チーフが激怒。殴られるかと思ったよ。
相葉ちゃんが今にも泣きそうで、ニノが困っていた。
自分でも、わかってるよ
“駄々って、感情をコントロールできなくなったガキがすること”
でも、あの時は一人になりたかった。
空港の従業員用通用口の近くに一台の真っ黒なベンツのバンが止まっている。
そこに一人の現地の人ぽい男性がチーフの名前が書かれたボードを持って立っていた。
(あれかぁ…)
フラフラ近づくと、スライドドアが少し開く。
N「やっと来ましたね…早くどうぞ…」
ニノが手招きする。
無言で中に入ると「一人で大丈夫だった?」相葉ちゃんが声を掛けてきた。
「ぅん…大丈夫…」
M「煮詰まってるの?」
松潤も心配してる。
(たしか…
『個展ので、アトリエに籠ってる』って…
ニノからメールが来ていた…)
「うん…」
M「じゃ、絵の事は置いといて!コンサートに集中しよう!!
良いもの出来そうなんだ!」
松潤が、笑顔で言う。
N「手ごたえを感じてるんですね?」
M「うん!すごく!下見した時から、イメージ沸きまくり!!」
松潤が輝いている。