第52章 初恋苦し（北信介）完結

俺から距離を取った侑が
昨日あった事を
大まかに話し出す

一通り聞いてもまだ

「お前…冗談ちゃうやろな？」

信じられへん

いつから？いつの間に？

いや、そんなんどうでも良くて…
嬉しいんやけど？？

いや、でも昨日……

「冗談でフラれたるほど
俺は人出来てませんて。
昨日あれだけ念押したのに
どっちもヘタレてからに…」

「ヘタレんな言うたってやな
お前とその…やし
それに…」

"もうエエ"言われたよな？俺。
その"もうエエ"が
ヘタレな俺に
見切りつけた言葉やとしたら…

言葉に詰まり
一点を見つめてしまう俺

「北さん？
なんか顔青いですけど……」

「侑、俺もフラれたかも知らん…」

「……はぁ！？
意味分からん！
はぁ？！俺の我慢は？努力は！？」

「実は…」

鬼の形相の侑に
少し躊躇しながらも
昨日の帰り道の話をしてみる…と。

「…と、言う感…」
「あほかーーーー！
自分ら二人とも
まどろっこしぃのぉ！
腹立つ！めっちゃ腹立つ！」