第52章 初恋苦し（北信介）完結

『私は大丈夫やから
保健室も行かんし
早退もせぇへんで』

北さんと会える機会は
このままやったら
もうそこまで多くない
チャンスは少しでも
逃さない方向で居たい

そう思ってた…けど

「…本気か？
そんな顔色して…」

なんや？これ。
メッチャ頭痛いねんけど…
北さんが私や侑とは
反対に平常運転な事に
ショック受けただけじゃない
なんか…これ…って

「おい！布施！」

『大丈夫…ちゃうやつかも…』

風邪…とか言うヤツ…ちゃうか？

「せやからそう言うてるやろがぃ！
おい！誰か手ぇ貸せ！」

治くん声デカイ
頭に響くからチョット静かに…して。

グラグラする頭を
机に突っ伏したのを
きっかけに遠のく意識

フワリと身体が浮き上がる様な
感覚があったような
気はしたけど

私の記憶はここまでで
目が覚めた時に広がる光景を
予測する事も出来ないまま
深い眠りに落ちていった