第52章 初恋苦し（北信介）完結

ションボリして
更に進まない用意
もう学校さえどうでも良くなって来る

サボろうか、とか
フワリと頭を横切る…けど。
北さんの顔が浮かぶと
また少し手が動き出す

でもメイクしたり
髪の毛を整える気力はなくて
適当にした身支度

少し急ぎ足で学校に向かったけど
それでももう朝練は終わる時間に
なっていて
仕方なくトボトボ教室に向かった

「なんや？来とったん？
朝練こーへんから
てっきり休みやと思ってたわ」

朝練と早弁を終えた治くんが
教室に居る私に
声を掛けてきた

『…支度間に合わんかってん
あの…』

「侑のアホなら
調子崩して
北さんに絞られてんで
まだ部室居るんちゃう？」

『あぁ…そうなんや…
体調でも悪いん？』

「知らんわ
どーでもエエもん
それに…体調やないのは
オマエが一番
よう知ってんちゃうんか？」

治くんの言葉に
パチリと目を見開くと

「やっぱりなー
なんや？もう終わったん？
最短やな」

治くんが察した顔して
呆れて笑った