第52章 初恋苦し（北信介）完結

思わず言い返してしまった後で
ハッとして

『…スイマセン…
調子乗りマシタ…
尻軽でスイマセン…』

慌てて返した言葉に

「…」

まさかの無言！！

これはメッチャ怒ってるヤツちゃうのん！？
自分の身勝手さ棚にあげて
暴言返すとか
マジで色々ありえへん…

『侑…ゴメ…ﾝニャァ！？』

恐る恐る開いた口が
横に広がって閉じるほど
引っ張られたほっぺた

痛い！マジで痛い！
ほっぺが…ぁぁ……

『取れるやろがぃ！
戻らんくなったら
どーすんの！
北さんに嫌われるーー！』

バチン！と
弾いた侑の手
ジンジンする手で
ヒリヒリする頬を押さえて睨むと

「そん時は
俺がもろたるやん
…心配すなや」

私の頭を撫でて

「…ま、そんな事は
あらへんから
安心して行っといで
振られたら
今度はチャント
もらったるから…な？」

唇をフニフニと摘む

『侑？？』

チャント？貰う？なんの事？？