第52章 初恋苦し（北信介）完結

そう思ってたのに

『諦められへんから
こうやってアホみたいに
通ってるんやんか！
好きでもない人に触らへんわ！
侑やから触りたいんやん！
そんなに嫌いなん…！？
侑、の、あほ…ｯｯ』

布施の目からは涙が溢れて

『ごめん、帰る
諦めたわけちゃうからな…
でも今日は…帰る！

…お騒がせしてゴメンナサイ
北さんも、スイマセン…』

小さな背中は
体育館から消えて行く

なんやねん
泣くなや…
いや、泣かしたん俺やけど…。

あんな事言われても
諦めへんって
オマエどんだけやねん

呆れるわ

「おい、侑」

この人の好きなオンナやからって
貫いてた【興味ない】が

「…なんスか？」

「追いかけたり」

「エエんですか？それで」

ドンドン嘘に変わっていく

「…当たり前や。
俺が行っても…アカンやろ
俺は布施が笑うなら
それで…エエ」

「…ホンマですね？」

「シツコイで」

「ほな、もう遠慮しませんよ
後から"マテ"言うても
止まれる保証はないですよ？」