第52章 初恋苦し（北信介）完結

今はコレが最優先。
アイツも俺にオンナが居るなら
諦めるやろし
そしたら北さんの
気持ちにも気付くんちゃうかって
そう思ってた

「ふーん
それならエエけど」

「おおきに！
あ、来た。
頼むわ」

俺の合図に頷き

「侑～！
早よ食べようや
侑の分も作って来てんで」

「おん。
悪かったな、遅れて」

「別にエエけど…
またあの子？
ホンマ懐かれ過ぎちゃうん？
ちょっと妬けるわ」

「ちょっとかい！
ガッツリ妬けや！
冷たいオンナやのぉ！」

アユミが俺のシナリオ通りに
俺の前で笑う

それを見て固まってる
布施を目の端で確認して

「妬いてんで、ガッツリ
どないしてくれるん？」

「フッフ、可愛ぇな、オマエは。
帰ったらイッパイ可愛がったるから
怒んなや」

聞こえる様に声をあげ
アユミに触れる

なぁ？分かるやろ？
俺はエエ奴ちゃうんや。

せやから
止めとき？

北さんの方が
オマエを大切にしてくれるし
絶対傷付けたりせんから。