第52章 初恋苦し（北信介）完結

不安そうなアラン君に
激しく同意して
北さんの様子を伺ってると

「ちゃうんか？」

相変わらず顔色一つ変えず
頭の上にハテナを浮かべてる

この人結構ヤリ手？
もしかしてメッチャ慣れてたりとか…

「いや、流れ的には
そやろけど…
二人切りとか…
色々オトコノコ的にやな…
ヤバないん？」

「婆ちゃんと飯食いに行くんも
いつも二人切りやで？
それと何が違うねん？？」

ハハッ…それはナイか。

「婆ちゃんて…オマエ…」

呆れるアラン君や
俺らを置いて
布施と去って行く北さん

「…なに？寂しいの？」

それを見送る俺の背後から
角名の声が聞こえる

「はぁ？何がやねん」

「二人の事ガン見してたからさ」

俺が？？
んな、アホな。

「北さんがあんな
積極的やったんかって
見とっただけやろがい。
変な勘ぐりすんな、アホ」

せや。
寂しいわけあるかいや。

あのアホが
北さんの気持ちも知らんと
迷惑掛けへんか心配なだけや

それだけや。