第14章 ♡召しませ☆大王様（及川徹）前編✣完結

そんなある日

親の海外転勤が決まり
私も付いて行くことに
行ってしまえば　
もういつ帰って来れるかわからない
もう先輩とは逢えなくなる

でも告白しても
振られるのは目に見えてて

その後すぐ忘れられてしまうのも
また目に見えてて

どうにかして
先輩に私を憶えて欲しくて
先輩の記憶に残りたくて
恋人とか友達だとか
そんな大それた事は望まない

名前だけでも良いの
ただ単純に
先輩の人生に
【私】という人間が
居たことを
残したいって思った
その為になら
私は…何にでも誰にでもなれる

手当り次第雑誌を読んで
漫画を読んで
知識を知恵を言動を
頭の中に詰め込んで

私は私じゃない

【先輩が絶対に
好きにならない女の子】

に、なる。