第16章 rebirth
「かずくんっ…」
「翔っ…どこっ…どこにいるのっ…」
「ここにいる…かずくん…」
「手…握って…?」
濡れたままの翔のひんやりした手が俺の手を包む。
「ここに、いる…」
「翔…」
翔が泣きながら俺の手を握りしめている。
「ごめんね…?翔…」
「かずくん…こわくないよ?」
「うん…わかってる…わかってるんだ…」
「なかないで…かずくん…」
「ごめんっ…ごめんな…翔…」
安藤の部屋を思い出すと、一瞬目が見えなくなる。
俺達の部屋が安藤の部屋に見えるんだ…
発作のようにそれは突然起こる。
昨日の夜も、何度も目が覚めた。
その度に翔も飛び起きて…
情けないよ…
翔が俺の額に手を当てる。
そのまま涙に濡れた俺の頬を撫でていく。
「かずくん…ぼくがいる…ここにいる…」
「うん…翔いるね…翔…」
翔の手を引き寄せて胸に抱いた。
お願い…
もう忘れさせて…
「かずくん…?」
翔の声が遠くに聞こえる。
俺はまた浮上することのない、深い眠りの淵に落とされていく。
いやだ…眠りたくない…
眠ったら戻ってしまう…
もう戻りたくない。
あの部屋へ。