第3章 ずっと、君のそばに。
翔さんの手を握ったまま
うつむいて、何もできない俺。
「どうした?」
そう言って、またさっきみたいに
ベッドの、俺の隣に座ってくれた。
「カズ…、
何、泣いてんの?」
あ…。
今まで気づいてなかったけど、
知らず知らずのうちに泣いてた。
それと…、
絶対今、俺のこと
“カズ”って言った、よね?
なんだかいろんな感情がこみ上げてきて、
いつの間にか涙が止まらなくなって。
そのまま、翔さんに抱きついて、
「翔さんが、好き。」
って。
小さくて
聞こえなかったかもしれないけど、
この6文字にたくさんの想いを詰め込んで。
「俺も。」
そう返事が聞こえてきた気がする。
思わず
「え?」
って聞き返す。
「俺も、カズのこと、
ずっと好きだったから。」