第22章 No.1は誰だ!
暫くして追加のボトルが運ばれてくると、またしてもボトルごとウィスキーをかっ食らうゲスト。
その後も追加に追加を重ね、気付いた頃にはテーブルの上には空になったボトルが並んでいた。
「あ~、酔っぱらったよぉ~♪」
そりゃそうだろ…
アンタ一人で何本飲んだんだよ?
「おい、ちっくらおめぇの膝貸せ」
「へ? は、はぁ…、どうぞ?」
「悪ぃな。…よっと…」
ゲストが身体の向きを変えたと思うと、俺の膝を枕に居眠りを始めた。
散々飲み散らかした上に、居眠りって…
この人何考えてんの?
それにしても眠い…
夢の続き…今なら見れそう…
うぅ~、寒ッ…
それに痛い…
ん?
痛い…?
身震いとズンとした痛みを感じて瞼をゆっくり開ける。
えっ、えぇぇぇっ…?
「ちょ、ちょっと何して…あっ…やぁ…」
って、どんな声出してんのよ俺!
「おっ、やっと起きたか? おめぇ、なかなか具合良さそうじゃねか? ん?」
何言ってんのこの人…
いや、そんなことより、この腹の辺りに感じる違和感は何よ?
それに…ケツ、痛ぇ…
「ん? どうした?」
俺を見下ろすゲストのニヤケた顔に、一瞬ドキッとして俺は咄嗟に視線を逸らし…
「!!!!!!!!!!!!」
不意に向けた視線の先に、全面ガラス張りの壁。
そこに映った自分の姿に俺は絶句した。