第14章 クリスマスローズ
Sho side
翔「本当に…申し訳ありませんでした」
俺は先輩の楽屋で深々と頭を下げた
「大丈夫だって,事故みたいなもんなんだし」
そんな気にするなよ,と
長瀬君は俺の頭を上げさせて
明るく笑ってくれた
「それより松本にも,もういいからって言っといてよ
あいつ毎日なんかしら届けてくれて…逆に申し訳なくなるからさ」
この楽屋にも潤から届いたであろう見舞いの品が置いてあった
「櫻井からも言ってやって…松潤,真面目だからそっちのが心配…」
竜也くんも城島リーダーは
優しく笑ってくれる
「実際,大丈夫?」
「仕事とか…影響ない?」
松岡くんと太一くんは
真剣に聞いてくれる
翔「…あ,はい…本人も長瀬君に怪我をさせてしまったことは落ち込んで…反省してましたけど…仕事は,しっかりやってます」
「そっか,なら良かった
この間すれ違ったら,すっげー顔色悪かったからさ」
俺たち嵐は…先輩に恵まれてる
いつも何気なく気にかけてもらって
…見守ってもらえて
本当にありがたい…
翔「逆に,ご心配おかけしてすみません」
もう一度頭を下げると
「だからー…んな気にすんなって!あいつ頑丈だから大丈夫だよっ」
「おいおい太一くんが言うー?」
TOKIOの楽屋は明るい大人の雰囲気に包まれていて,なんだか安心できた
お礼を言って楽屋を後にした
長瀬君の怪我は
決して,たいしたことない…
とは言えないけど
本人は元気そうで良かった…
潤はしっかり仕事をこなしてる
…でも…やっぱり元気はなくて…
ちょうどお互い仕事が忙しいのもあって,仕事の現場でしか会えていない
毎日のメールさえ途絶えがちで…
正直,大丈夫とは言えない
でも,そんなこと先輩には言えなかった…
〔今日,20時にはあがれるはずだから家に行っていい?〕
朝送ったメールにまだ返信がない
時計はもう19時半を過ぎていた