第58章 ストック
Jun side
潤「お邪魔しまーす…」
斗真の家は俺の知ってる場所ではなくて
ちょっと緊張したけど
斗「ま,適当に寛いでよ」
斗真の空気は俺の知ってるものだったし
何か…メンバーから聞いているのか
一定の距離を保ってくれて安心できた
斗「潤…聞きたいことあんだろ?」
他愛のない話をして…
楽しい空気を壊したくなくていると
斗真から話を切り出してくれた
潤「あ…うん…あのさ…俺って…過去になんかあったのかな…」
でも…聞きたいと思っていたのに
何もわからないからどう聞けばいいのかがわからなくて
斗「ごめん…えっと…?」
斗真も疑問を向けてきた
潤「いや…あの…俺もよくわかんねーんだけど…人に触られるのが…怖くて…あとなんか…声…男の人の声が夢で…聞こえるんだ…でも…それが誰なのかもわかんなくて…」
話しながら
夢で聞こえた声が蘇ってきて
ぎゅっと手を握り締めると
斗「辛いこと話させてごめん…」
そう言って冷たいお茶を置いてくれた
それをゆっくり飲み込むと少しだけ落ち着いた
斗「俺は…そういうのは知らないかな…ってか当てはまる人は思いつかない…」
潤「そっか…大丈夫…ありがとう…」
申し訳なさそうにする斗真にお礼を言うと
斗「もしかしたら…さ…」
言いながらまっすぐと見つめられて
思わずその視線から逃れた
そして
斗「翔くん……なら…知ってるんじゃない……?」
俺を伺うようにしながら言われたその名前に躰がビクン…と跳ねた