第51章 カーフ
Masahiro side
風呂場に行った雅紀を気にしながら
ソファに座るとすぐに
ガラガラドシャンッ…と大きな物音が聞こえた
…あー…やっぱり…?
今座ったばかりのソファから立ち上がって浴室に向かうと
案の定…風呂場ですっ転んで
びしょびしょになっている雅紀がいた
雅「松にぃ…」
雅紀はもう泣きそうで
俺は笑いを堪えるので精一杯…
昌「ったく,ホントおまえは…」
躰を支えて抱き起すと
「ごめんなさい…」と俯いたまま
動かなくなった
昌「雅紀…?」
声をかけても何も言わない
ただジッと床を見つめて…
目を潤ませていた
昌「まー…?」
抱き寄せると,俺の胸を弱々しく押し返す
雅「松にぃまで濡れちゃうよ…」
昌「そんなんいいだろ,じゃ…脱ぐか…どーせ入るんだし…」
言いながら濡れて雅紀に張り付いた服をガバッと抜き取った
雅「えっ!?ちょ…えっ??…っあ…」
雅紀があたふたしてる間に
自分のシャツも脱ぎ捨てて
一緒に洗濯機に放り込んだ
昌「何?下も脱がしてほしいの?」
ベルトに手をかけると
自分でベルトをしっかり握って
ぶんぶん首を振った
…首とれそうだ…
雅「っ…と…え…一緒に入るの?」
昌「ダメなの?」
雅「えっ…あ…の…っ…」
昌「俺は…そのつもりだったんだけど?」
脱衣所の壁に手をついて
雅紀を囲うように見下ろすと
今度は真っ赤になって
また俯いて動かなくなった