第13章 マロンscene1
「俺、潤の可能性潰してる…」
そう言って、顔を手で覆った。
「ばかやろう…そんなことないって」
「でも…潤だったら、いいお父さんになるよ!」
「だから、そんなのいらねえよ!」
こいつがうわの空だった本当の理由はこれか…
ばかだな…
「な、和也…俺、お前しかいらないの」
「俺だって、潤、くんしか、いらないっ…」
しゃっくりあげながら和也が言う。
「でも…潤のっ、未来にあるはずの幸せを、俺が摘んでるのだとしたら、それが嫌だっ」
一気にいって、またしゃっくりあげる。
「俺だって同じなんだよ?和也」
「え?」
「俺だって、和也の未来、潰してるんだよ?」
「俺の未来?」
「同じなんだよ、俺達は」
「でも、俺は潤のほうが大事なんだよ」
「え?」
「俺、自分より潤の方が大事なんだもん…」
そういうと、下を向いて泣き始めた。
力なく下ろされた手には、涙が沢山ついていた。
「ばーか…」
そう言って、抱き寄せる。
「俺だって、和也が大事だよ?俺より大事」
俺の腕で和也は泣き続ける。
「俺、おまえと一緒だよ?」
そう言って髪の毛を撫でる。
「でもおまえと違うのは、お前の幸福な未来をぶっ潰してでも、俺はお前と一緒にいるって思ってることかな」