第29章 泣きたいときは《十四松END》
わたしが躊躇っていると。
十四松くんが、わたしの首筋に顔を埋めて優しくキスをしてきた。
「んっ……」
十四松「ね、ほら……もっとぼくに見せてよ」
ちゅ、ちゅ、と音をたてながら、十四松くんは、そこに赤い花を咲かせていく。
そして、わたしのパジャマのボタンを上からひとつずつ外し、お腹から胸にかけてをさわさわと手のひらで触った。
「ん…やっ……」
自然と、息があがっていく。
十四松くんの手が、わたしの胸の突起に触れる。
くりっと指先で愛撫し、今度は唇を近づける。
ちゅうっ、と音をたててしゃぶりつかれれば、わたしの身体は面白いくらいに跳ね上がった。
「あああッ……ん、ああっ、やッ!」
十四松「ちゃんとできたら、気持ちいいこと、もっとたくさんしてあげる。だから、切って? ね、さくらちゃん?」
「う……うんッ…」
頭がぼーっとして何も考えられない。
わたしは、十四松くんに言われたとおりに、すでに血まみれの左手首にナイフをあてがい、そのまま勢いよく切りつけた。
「……ッ、あ」
痛い……でも、これで十四松くんに信じてもらえるなら……
これで十四松くんの気持ちが少しでも楽になるなら……
十四松「あははー、さくらちゃんの血、真っ赤だね!きれー!」
十四松くんは、いつもの無邪気な笑顔を咲かせて、わたしの手首に口づけた。
十四松「…いいよ、さくらちゃんのこと信じてあげる! 仲直りにエッチしよう?」
「うん……うんっ……」
これが異常であるということは、わたしだって分かっていた。
でも、もう止められなかった。
十四松くんは、ふたたびわたしの乳首を口にふくみ、甘噛みするように口の中で転がした。
そして、それをしながら、右手でわたしのパジャマのズボンをおろし、下着の中へ手を入れた。
「十四松くんっ……んあ…」
十四松「さくらちゃん、かわいいよ… すっごく…かわいい…」
十四松くんは、愛撫をしながら、まるでうわ言のように言う。
いつもは、無邪気で子供みたいな十四松くんが、
わたしに興奮してくれている……
その事実が、どうしようもなく嬉しい。
十四松「ね、今日はバックでシよ? 流しに手ついて」
そう言って、十四松くんは、台所のシンクを指差した。