第9章 愛初〈 BL 初恋 未練 etc...?連載中〉
「お兄ちゃんっ♪」
目の前には、芝犬のようにモフモフとした頭の僕の弟ーーー南がいた。目をクリクリとさせて、愛らしさをアピールしているらしい。
「...」
なんだ?
南の奴、いつもお兄ちゃんなんて呼んでこないのに...
「なんで突っ込まないの!?いっつもお兄ちゃんなんて呼ばないだろー!!みたいに!」
南は腕をブンブン振り回していた。大袈裟に。
「で、僕に何の用だ」
僕の目線とほぼ同じ高さにある、南の顔を見つめる。
「僕今日お泊まりするんだー、センパイん家に♡」
ずっと南の横に突っ立ってたやや髪の長い男の腕にーー僕の弟はしがみつく。
「はぁ....勝手にしろよ」
「じゃなくて!母さん達に怪しまれないように!ボクは友達の家に泊まるって誤魔化しといてよ!」
それだけ告げると、いこー♡と、長髪のイケメンを連れて南は僕から逃げてった。
「...はぁ...」
ーーー南、お兄ちゃんは心配だぞ。
そんな事を正直に伝えてしまったら、お兄ちゃんきもちわるーい!とかまともに罵倒されちゃうだろうか。
しかし、そんな小悪魔な一面も可愛らしく見えてしまうのが、僕の弟だ。
まぁ南は顔はいいから、昔、ノリで読者モデルとか一瞬やってた事あったっけ。
話は数が月前に遡る。
「ねぇ、ひかるくん...」
僕のTシャツを無断で着用、そして実の兄相手に彼シャツごっこなるものをしていた南が囁いた。
ちなみにひかる(光)くんとは僕のことだ。そう、南はいつも僕を光くんと呼ぶ。
「なに?Tシャツ伸びるからそろそろ返してくれない?」
ぐいっと何気に南の袖を持つと、イヤッ!!と犬のようにぶるっと南は震えた。
こんなわかりやすく弟属性っぽい弟もなかなか珍しい。というか、兄の私服で彼シャツごっこする弟がいるなんて言ったら、多分クラスメイト達からドン引かれるだろう。
だから南のことはあまり他人には話さない。
「ボクね、ゲイなんだっ」
あまりの唐突な南の告白に、瞳を見開いてしまった。
でも、たしかに、まぁ僕は兄だからかもしれないけど、男相手に彼シャツごっことか抵抗なくできるのが南だから、違和感はあまり無いのかもしれない。
「そ、そうなんだ...」
目を瞬かせてたら、南がにこーっと笑った。
「光くんは、そういうふうに言ってくれると思った!」
