第8章 LOVEの味
「あのさ、和…」
言いにくそうに口を開く雅紀。
「ん?」
「離して」
「あ、ごめん。忘れてた」
雅紀の頬を挟みっぱなしだった。
慌ててパッと離す。
「忘れるなんて酷いぞ、えいっ」
お返しに和の頬も挟む。
「えーっと雅紀…何するの?」
「へへーん、お返し。
和のほっぺ気持ちいね。
サラサラで柔らかくて」
「変態」
「うん、それも和限定ね」
我ながら雅紀に触れられるの好きかも。
「和…」
チュッと唇が重なった。
雅紀に頬を挟まれたままだから、避けようにも無理がある。
「今のは反則だろ、雅紀」
照れた顔を隠すように悪態をつく。