第8章 LOVEの味
「俺は和とイチャイチャしたいだけなのに…。
和のイジワル…分からず屋」
膝を抱えたまま前後に揺れ、俺を罵っている雅紀。
そういうところが子供だって言われんだよ。
まぁ、そんなところも好きだけど。
その様子を微笑ましそうに見つめる。
次の言葉を聞くまでは…。
「きっともう…俺のこと好きじゃないんだ」
その1言で俺の中の何かがプッツリ切れた。
ちょっと待てよ。
最後のそれは聞き捨てならない。
「もう1回言ってくれます?」
左手で雅紀の頬を挟み、強制的にこっちを向かせる。
「な、何ひゅるの?」
「もう1回言ってくれます?」
さっきと同じ言葉を繰り返す。
眉間に深くシワを寄せ、真剣に雅紀の目を見つめた。