第7章 頼りの味
「ありがとう。
じゃあせめてカラオケは俺持ちね?
ここのお金も払って貰ってるし。
練習に付き合わせてるのも俺だし。
それぐらい出させてくれる?」
そう言う翔くんの顔は優しさに満ちた笑顔だった。
「ん、分かった。
けど付き合わされてるなんて、思ってねぇからな。
俺が好きでやってんの」
唯一気に入らなかったところだけ訂正する。
決して嫌々な訳じゃない。
俺が提案したり、むしろ俺が付き合わせてる方だと思う。
「ありがと、松潤。
やっぱり優しいね」
クスクスと笑う。
「や、優しくねーよ。
じゃあ早く行くぞ」
翔くんの唐突な言葉に思わず耳が赤くなる。
「…早く2人きりになりたいからな」
と、翔くんの耳元で囁いた。
「もう…松潤ったら」
顔を赤く染める翔くん。
けどやっぱり呼び方は松潤のままか。