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薔薇と向日葵

第15章 初恋にさようなら


20分程待ち、席に案内された。

「なに食べる?」

徹がメニューを開き、私の方に向けてくれた。

「んー、悩むなぁ。ここの料理美味しいから…。」

「俺はネギトロ丼。」

「またー?ネギトロ好きなの?」

「好き。」

前回のカツ煮丼も捨てがたいが、せっかく来たのだ。別の物も食べてみたい。

「私は…和風ハンバーグ定食にする!」

「お前またガッツリだな。」

徹が今日初めて笑った。
それを見て、一安心した。

しばらくして、料理が運ばれてきた。

ハンバーグを一口食べる。
やはりここの料理は美味しい。

「美味しいね。」

そう言うと、徹は微笑んだ。

「そうだな。」

徹は相変わらず食事中は静かだ。

私は徹と出会った頃のことを思い出していた。

最初は本当に苦手だった。
性格は悪いし自分勝手だし女性関係はだらしないし…。

しかし今は違う。
私は、徹の過去も含めて彼の全てが好きだ。

「…ねぇ徹。」

「ん?」

「私さ、徹のこと…その、前は苦手だったけど今は好きだよ。」

「知ってる。」

徹はサラリとそう返した。

「俺らさ、付き合う?」

徹はまるで、今日の夕飯を聞くようなノリでそう言った。
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