第12章 >>10 我慢の限界な件
「〜…あんた本当に死んじゃえばぁ?」
「うっわ…ひっどーい。」
ケラケラと笑う声。
まただ。また。
「死ぬの怖いならー…手伝ってあげるよー?」
「やっさしぃ〜…の為に特別だからねー??」
またこの夢だ。
真っ逆さまに落ちる景色に、校舎の窓ガラスは酷く安堵した僕を写す。
安堵した僕はそこで、そこで…。
『っ…。』
気だるさだけが、目覚めた僕に寄り添っていた。
今何時だろうか、枕元に置かれたスマホを取ろうと手を伸ばした時、自分が下着姿である事に気付く。
そして思い出す数時間前の出来事と、激しい痛み。
『ぁっ…あ…あ…!』
嫌な事が頭を支配して、息が上手く出来なくなる。
あの日と一緒。
頭を抱えて、ぼろぼろと涙を流し泣いた。
「起きてたのか。」
ハッとして、声のする方へ目線を向けると、無表情でこちらを見つめる見知らぬ男。
昨日の出来事が脳裏を過ぎり、言葉は出る訳もなく、その場で固まってしまう。
「随分乱暴にされたんだな。」
ちっとも気にしてなんかいない様子で、その男は近付いて来る。
怖い。
咄嗟に布団に潜り込んでカタカタと震えてしまう。
思い出したかのようにズキズキと恥部が痛んだ。
「お前に仕事を依頼したいんだ。」
その男の声が近付いてくる。
今、きっとベッドの真横に居る。
頭が回らない。