第7章 >>6 友情努力勝利は無意味な件
「まっ!とりあえずこれで大丈夫でしょ。でもまさか、こんなに早く見付けれるなんてね。」
及川に抱えられリビングに逆戻り。
彼らがどうしてそこまで僕に拘るのか、ずっと考えてみたが、何らかの恨みとしか答えは出なかった。
「影山お前刺される所だったんじゃね?!」
「うっせーボゲェ!日向ボゲェ!」
ギャーギャー言い合いを続ける日向と影山を横目に、死ぬ準備を心でする。
『っでさ…何?殺すんなら早くしてくんない?!』
重苦しい空気を裂くように、少しを怒りを含み叫ぶ。
しかしそれも空回り。
誰一人として、それに答える事は無かった。
『何なんだよ…っ…!』
言葉は無意味に、床に転げ落ちた。
必死に今まで隠し通した事が全て一瞬で、一瞬で水泡に帰す。
今までで味わった事の無いような苛立ちと、不安が押し寄せる。
煙草が吸いたい。
何事も無かった様に酒が飲みたい。
ゲームがしたい。
あの日を…
『っ…外せよ!これ!!』
ギチギチと両手を纏める結束バンドを無理矢理外そうとする。
その度皮膚にくい込み赤くなり、指先は少し鬱血したみたいだ。
ピンポーン────
途端に鳴り響いたのは、陽気なインターホン。
それと同時にオートロックが解除される音。
嫌な予感がした。