第1章 まだまだ幼い高校生
どちらかが口を開けばすぐに始まる
小さい子供のような言い合い
もういい加減にしてやめる年なのかもしれないけど
『ゆうたのばーか、うざっ』
「あ?あいらだって」
『それはすみませんね』
いつものしょうもない言い合い
俺にとってはこれが楽しい日々だった
好きな人の前では素直になれないだけ
それが俺の言い訳だった
そんなときあいらが俺に告白してきたのだ
すごく嬉しかった
でも俺は素直になれなかった
返事を返せなかった…いや返さなかった
友達以上恋人未満のような関係が続いた
あんなに仲良いなら付き合えばいいのに
と周りの奴によく茶化された
ほんとにその通りだ
俺が素直になればいいだけなのに。
素直になれない自分が嫌いだった
またいつものようにからかう
「あいら、お前ほんと英語できないよな笑
もうちょっと頑張らないと大学ヤバイぞ笑」
『ほっといてよっ!
今 塾も通って頑張ってるんだから』
「俺のほうが賢いってことだな」
『だーまーれー、自慢いりません』