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【ハイキュー】ウシワカイモウト

第24章 ・烏と再会


「俺、縁下力。烏野2年。よろしくね。」
「ありがとうございます。改めまして白鳥沢学園高校1年、牛島文緒と申します。よろしくお願いいたします。」

縁下の名に吹き出しもせずコメントもせずそのまま流している辺りはやはり文緒である。

「日向達から聞いてた通りだな。」
「聞いていた、とは。」
「ああ、丁寧で優しそうな妹までいてウシワカ羨ましいってしきりに言ってたから。」
「私は別にそんなこと。」

丁寧で優しいとはこの人のことではないかと文緒は目の前で微笑んでいる縁下を見て思う。この人きっとチームでもいいお兄さんなんだろうなと感じた。

「どう見ても冷たそうには見えないけど。」
「そうでしょうか。」
「本当に冷たい人が日向に優しそうなんて言われないよ。」
「そんなものでしょうか。」
「俺はそう思う。」

頷く縁下に文緒はキョトンとする。

「ところでそのウシワカの、あ、いや牛島さんの妹さんがこんな所でどうしたの。」
「先日日向が私の落し物を届けてくれたと聞いてお礼を言いたいと思ったんです。この辺りでランニングをしていると聞いたのでどこかの拍子に会えたらと思ったのですがよく考えてみたら会えた所でトレーニング中の人に話しかけられる訳ありませんよね。どうも私はその辺りが鈍くていけません。」

話している間に縁下力がこの子もしかしてと思っていた事など文緒は知らない。

「あれ、でも縁下さんはいかがされたのですか。」
「いやその今度はおんなじ2年の馬鹿2人がすっ飛んでちゃって探しにきたんだけど、ホントあいつらどこ行った。しかも何で最近必ず誰かぶっ飛ぶ奴が出るかな。」

ボソリと呟く縁下の無表情ぶりに文緒は少々怯えた。この人はもしかしたら烏野内で結構な権力者なのではないだろうか。

「これはお邪魔をして申し訳ありません。私は失礼します。」

言うと縁下はすぐに元の温和な顔に戻る。

「気にしないで。ああそうだ。」

来た道を帰ろうとする文緒に縁下はぴっと坂の下の方を指差して言った。

「日向達ならもうちょっと先で休憩してるから、お礼言うくらいなら出来ると思うよ。」
「ありがとうございます、縁下さん。」
「礼には及ばないよ、じゃあね。」
「はい、失礼します。」
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