第2章 暗黙のルール
「拒む理由は私にはありませんが・・・」
つぅ・・・とヒップラインを指で優しく撫でる
「んぁっ・・・ぁっ・・・」
「ふっ・・・敏感ですね・・・」
眼は無表情だが、口角が上がる
「・・・今夜が楽しみです」
「・・・っ」
「さあ、ではわたくしと一緒に旦那様の元へ参りましょう」
「ぇ・・ぁ・・今からですか?」
「何か?」
「い、いえ・・・」
「・・・きっと旦那様はお悦びになりますよ」
ふっ・・・と口角を上げ微笑む
そして樹里奈の腰に手を添えると外へと促す
黒刃がモーニングティーを用意してくる
そのワゴンを樹里奈が引き継ぎ黒刃について理人の部屋に入る
「ご主人様、おはようございます」
「ああ・・・、樹里奈も一緒か?」
「おはようございます、ご主人様」
「・・・・」
理人がじっと樹里奈を見つめる
「な、なにか・・・?」
「いや、なんだか今朝は朝から妖艶だな・・・と思ってな」
ぎくっと樹里奈が躰をビクつかせる
「ふっ・・・わかりやすいな」
「樹里奈は契約書にサインしたようですよ」
「そうか・・・」
「は、はい・・・あの・・」
「その書類は明日もらおう」
「は、はい・・・」
「今日の夜伽が楽しみだな」
「モーニングティーです・・」
理人のサイドテーブルに紅茶を置く
「なんだ・・・?」
理人が指先で樹里奈の頬から唇に滑らせる
「ん・・・」
「黒刃に朝からいたずらでも、されたか?」
はっ・・と樹里奈が甘い吐息を吐き出す
「くくっ・・・図星、か」
理人は満足そうに微笑む
「理人様、いけませんよ・・・」
「少しぐらいいいだろう?
樹里奈を見ていると疼きが止まらない・・・」
「やれやれ・・・せめて契約が成立した明日にしてもらえませんか?」
理人がソファーに移動すると当然の様に黒刃がその前に跪く
「ふっ・・・眼を反らすくらいなら樹里奈も参加すればいいだろう?」
黒刃が咥える理人のそれは大きくそそり立っていた
「んちゅっ、ゴフ・・今朝は・・・」
「樹里奈を見ていると興奮してね・・・」