第7章 崩壊
フェリドとかいう、吸血鬼に私が負けるはずないはずだった。
覚えているわけではないけれど、大切な家族を殺した吸血鬼。
復讐してやりたい気持ちもあった。
それだけじゃあない。
優を守るためにも私が負けるわけにはいかなかった。
だけど、そこにあるのは傷はないものの、ぼろぼろになってしまった私と、動かなくなってしまった優。そして、嘲笑するフェリド。
殺したくなる。
立ち上がろうとする私と、それを押さえる三葉。
「やめてくれ、、これ以上仲間を失いたくないんだ」
そういう三葉の声は震えていた。
優の方に目をやると、シノアが懸命に声をかけていた。
きっと泣いている。
背中をこちらに向けていたから表情は見えないけれど。
私は戦わなくてはいけない。
このまま、フェリドを生かしていたら、あと何人死ぬ?
この私の命と引き替えにでも、殺さないと、、
私は三葉の肩にそっと手を触れ、謝って「私が殺さないといけない」というと、三葉は顔を上げて綺麗な瞳から大粒の涙を流した。