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My important place【D.Gray-man】

第38章 幾哀心



「お疲れトマさん」

「はい、お疲れ様です」


 内勤の仕事を終えて、コキコキと肩に手を当てて腕を回す。
 あー事務作業って疲れるなぁ…一日座りっ放しだし。
 まぁ大方書類は片付いたし、次の仕事は調査任務だから外勤になるし…。


「パリだったっけ…」


 次の任務地を思い出しながら職場を出る。

 フランスかぁ…フランスならイギリスに比べると料理が美味しい国だって有名だよね。
 美味しいフランス料理、食べられたりするかなぁ…。
 ユウがいたら"任務中だ"って怒られそうだけど、生憎今度の任務はファインダーのみ。
 気の合う仲間同士なら、仕事の合間に飲食店に立ち寄れるかもしれない。

 そんなことを考えていると、まるで自分がアレンみたいで笑ってしまった。


「……」


 だけどそれは一瞬だけで、つい朝方のことを思い出して笑顔は止まる。


「…大丈夫かな」


 アレン。

 ティムを連れて廊下の隅に見つけた時は、なんだか暗い顔をしてた。
 心配で声をかけると、やっぱりどこか思い詰めていたみたいだったし。
 …ずっと監視なんてされてたらね…リンクさんとは砕けた調子で話してるけど、やっぱり気にするところはしてたんだ。

 …名前、沢山呼んであげよう。
 それがアレンの望みなら。


「美味しいクレープ屋さん調べとこ…」


 どうせなら沢山奢ってあげよう。
 大食漢なアレンだし。
 お腹いっぱいにはさせられないかもしれないけど、喜んでもらいたい。

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